葬儀には、故人を弔うことを通して、残された家族や友人が、大切な人を失ったことに対して心の区切りをつけるというような意味があります。
人の死で悲しみが一旦ピークに達する葬儀は、それから先は見方を変えると悲しみを癒していく行程となります。以前は「葬儀は人が亡くなってから手配すればいい」という考え方がありました。それでも滞りなく葬儀を営むことができていたのは、地域や親族の支えがあったからだと言えます。
しかし、地域との関係が希薄になり、核家族化が進んだ近年は、いざ不幸があった時に相談できる相手がおらず「何が分らないのかも分らない」と戸惑う人が大勢いらっしゃいます。以前は大勢が集い、地域と協力しながら執り行ってきた葬儀ですが、小規模化が進んでいる近年、その全てを遺族が担わなければなりません。
2020年以降新型コロナウイルス感染症の影響で人が集まりづらくなったことから小規模化は更に加速し、今後しばらくは家族葬もしくは火葬式が主流になると思われます。「いざという時に外部からアドバイスが受けづらい時代」だからこそ事前の準備や
知識は重要になってきます。
葬儀の後悔の多くは、遺族が葬儀の基本的知識を持っていれば十分に防げることです。そして今は葬儀の事前相談をすることが一昔前のように後ろめたいことではありません。事前の準備や知識はいざという時必ず遺族を助けてくれます。
いざという時慌てないように、また悔いのないお別れを実現するためにも、事前に一度葬儀相談等で葬儀と向き合ってみることをお勧めします。