仏壇の魂入れとは、仏壇を新しく購入した際に営む法要です。「開眼法要(かいげんほうよう)」とか「お性根入れ(おしょうねいれ)」ということもあります。このことにより単なる「もの」だった仏壇が魂の宿る場所となり手を合わせる礼拝の対象となります。それは仏壇本体ではなく、中の仏像や掛軸、位牌などが対象となります。
仏壇は本来家の中に置く小さなお寺であり、ご本尊を祀るためにあります。ご先祖はこの世に帰って来たときに依代(よりしろ)として宿るものが必要で、仏壇のご本尊(仏像や掛軸)や位牌がその役目を果たします。また仏壇は、戻ってきご先祖を供養するための場所でもあります。
反対に仏壇が不要になった時や仏壇を移動させる時は閉眼法要(魂抜き・お性根抜き)を行います。
仏壇に対する考え方は宗派によって違い、浄土真宗では魂入れは行いません。浄土真宗では仏壇にご本尊をお迎えする「入仏式」を行います。仏壇のご本尊に魂を入れるのではなく、仏様に仏壇へ入っていただくのです。ご本尊である阿弥陀様を新しい仏壇にご安置しお迎えしたことの慶び、その「徳」をたたえるのが「入仏式」なのです。
仏壇が不要になった時や仏壇を移動させる時は「遷仏法要(せんぶつほうよう)」という読経の儀式が行われます。「遷仏」とは「入仏」した聖なるものとしてあがめられた仏壇(ご本尊)などを一般的な元の「入れ物」に戻すことを言います。引っ越しなどで仏壇の場所を変える場合は「遷座法要(せんざほうよう)」と言い、「遷座」とは本来鎮座していた場所を変えることを意味します。